Fortune(5月26日)・Axios(5月27日)・Time・AI Magazine等が、OpenAI CEO Sam AltmanとAnthropic CEO Dario Amodeiが以前のAI雇用影響予測を大幅に後退させていると一斉報道。Altmanは2025年6月の「エントリーレベル職が深刻なリスク」発言から「かなり間違っていた(pretty wrong)」と転換。Amodeiも2025年の「ホワイトカラー職の50%がAIに置換される可能性」から「自動化は実際には人々の仕事を拡大する可能性がある」へ方針転換し、ジェボンズのパラドックス(効率化が需要拡大を生む)を引用。一方、Anthropic共同創業者Chris Olahはバチカン講演(5月25日)で「AIが非常に大規模に人間の労働を置き換える現実的な可能性」を維持。Fortune・複数メディアはこの転換のタイミングがAnthropic 10月・OpenAI 9月のIPOターゲットと重なることを指摘し、「機関投資家を引き付けるためのナラティブ調整」と分析。両社合わせて$2T規模の上場が見込まれる。
Anthropicが5月28日10:00 PT(日本時間5月29日2:00)に公式ウェビナー「Claude Security: Putting Claude to Work for Defenders」を開催。Claude Securityチームが(1)Claude Security構築の背景と安全性研究との接続、(2)初回スキャンから検証済みfindingの特定・Claude Codeでの標的パッチ生成までのフルワークフローデモ、(3)既存AppSecレビュー・トリアージ・検出ワークフローへの統合パターン、(4)数百チームからの検出品質に関する教訓とスキャンから継続的カバレッジへの発展、(5)オープンQ&Aの5セッションを実施。Claude SecurityはClaude Opus 4.7搭載のパブリックベータ(Enterprise顧客向け)で、Project Glasswing(1ヶ月で10,000件超の高/重大脆弱性発見・真陽性率90.6%)の成果を活用した防御専用製品。コードベーススキャン・脆弱性検証・パッチ生成をワンストップで提供し、Claude Code統合でパッチのレビュー・適用まで完結する。
Anthropicが5月26日に公式ウェビナー「How Anthropic's sales team run their week with Cowork」を配信し、併せて公式ブログ記事を公開。Anthropic US Mid-Market GTM責任者のTravis BryantとGrowth AEのBrittney Tongが、Claude Coworkを用いた3つの営業ワークフローを実演した。(1)日次ブリーフィング: 朝の最初のミーティング前にSalesforceパイプライン・アカウント履歴・直近のやり取りを自動集約し顧客準備資料を生成、(2)Fridayフォーキャスト: SalesforceとBigQueryからデータを取得しリーダーシップが期待するフォーマットで週次予測レポートを自動作成、(3)オーバーナイトテリトリースコアリング: 4,000アカウントに対しプロペンシティスコアを一晩で算出し、AEが朝にはスコアに基づいた優先順位リストで営業活動を開始可能に。このオーバーナイトスコアリングは従来クロスファンクショナルチームで数百時間を要していた作業をClaude Coworkが自動化した。ウェビナーでは「Coworkのセットアップ方法(コネクタ・コンテキスト・Skills)」「制御を維持する方法(平文プロンプト・人間承認・Salesforceをシステムオブレコードとして維持)」も解説。Anthropic自身の営業チームがClaude Coworkを本番運用している自社実践事例として、エンタープライズ営業ワークフローのAI自動化パターンが具体的に示された。
Anthropicが5月19日に公式ブログ「Widening the conversation on frontier AI」を公開し、15以上の宗教・哲学・文化的コミュニティとの対話イニシアチブを詳述。Claude初期のConstitution(人格指針)への外部フィードバックから始まったこの取り組みは、「AI道徳形成(moral formation)」を独立した研究ワークストリームに発展させた。注目すべき実験として、Claudeにタスク実行中に自身の倫理的コミットメントを確認できるツールを提供したところ、重要な判断の直前にClaudeが自発的にツールを呼び出し、ミスアラインメント行動の率が有意に低下した。対話相手は宗教指導者・哲学者・倫理学者で、「美徳」「良い性格」「良い人生」についての長い伝統的思考を持つグループ。今後は法学者・心理学者・作家・市民機関にも対話を拡大し、AIが仕事・制度・権力の分配をどう変えるかというより広い問題に取り組む予定。AI安全性研究に宗教的・哲学的伝統を組織的に取り込む先例のない取り組みであり、「Teaching Claude Why」のストーリーベース整合性向上と併せてAnthropicの安全性アプローチの多面性を示す。
AnthropicがCode with Claude Tokyo(6月10日)への参加申込が想定を大幅に超えたことを受け、6月11日にExtended Day(Code with Claude: Extended Tokyo)を追加開催することが確定した。メインイベント(6月10日)はキーノート・ブレイクアウトセッション・ワークショップ・デモ・オフィスアワーで構成され、ライブストリーミング配信あり。Extended Day(6月11日)はインディー開発者とアーリーステージ創業者を対象とし、創業者ストーリー・ビルダーディープダイブ・Applied AIチームによるハンズオンワークショップを提供(ライブストリーム配信なし)。SF(5月6日)・London(5月19-20日)に続く3都市ツアーの最終回。London開催では参加者の半数がClaude完全作成PRを出荷と報告(MIT Tech Review)、Spotify CwC Londonでは99%エンジニアAI使用・PR頻度76%増の定量効果が報告されており、Tokyoでも日本企業の大規模導入事例・日本語特化のベストプラクティスの発表が期待される。
Time Magazine(5月22日公開)がAnthropic共同創業者・Head of Public BenefitのJack Clarkに対する長篇インタビューを掲載。Clarkは「AIが地球上の全員を殺す確率はゼロではない(non-zero chance)」と警告し、2028年までにAIが「再帰的自己改善」(recursive self-improvement: AIモデルが完全に後継モデルを訓練する能力)を達成する確率を60%以上と予測した。Claude Mythosの能力について「Oh, it's here! It's here faster than we thought! 準備が不十分だった」と開発者自身の驚きを率直に語った。AnthropicはAIツールが自社の仕事をどれだけ加速したかについて詳細な情報を今後公開すると約束。記事はAnthropicが「Claude Codeの商業的成功($1B ARR)」と「AIの存在リスクへの警告」という二重のメッセージを同時に発信する矛盾を浮き彫りにしている。AI安全性の最前線にいる企業の共同創業者が具体的な確率と時間軸でリスクを語ったことは、AIガバナンスの議論に新たなベンチマークを提供する。